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景観・まちづくり新聞
トップ  >  景観・まちづくり新聞  >  Vol.10(2011/9)  >  連載コラム 高橋寛治が語るまちづくり(4)

連載コラム 高橋寛治が語るまちづくり(4)


「ボローニャ方式」

  今から20年ほど前、私はイタリアの都市を見て歩き市民が自らの知恵と労力で再生に組んでいる「まち」を探していた。

その最後にたどり着いたのが北イタリアのボローニャ市であった。
中世がそのまま残ったような街並みと自治都市としての長い歴史を持ち、町の中心にはヨーロッパ最古のボローニャ大学がある。

一方ではドイツ・イタリアのファシズムに対してレジスタンス運動を行い、大きな犠牲を払いつつも最終的には勝利しているのもボローニャであった。

人口40万の町に美術館、博物館、映画館、劇場、図書館などがたくさんあり、町全体が文化都市である。 この文化の土壌を支えているのが「ボローニャ方式」と呼ばれる文化による街の再生と言える。これは「歴史的建造物は壊さない、もちろん外観も変えない、しかしその内部は市民の必要に応じて変えてしまう」という方式である。

私が訪れた日も建物のファサード(外壁)を残しながら、内部は現在の生活に合うよう改装を続けていた。そのうえ改装中の仮住居は同じ居住街区の中に確保し、改装後の家賃は前と同額、かつ、その作業を担っているのは住民の組織であった。
これらの仕組みは戦後に作られた「4つの誓い」に基本を置いている。


?復興のためには女性の力が必要である。
?街の中心部の歴史的建造物と郊外の緑は市の宝物であるので、この二つはあくまで保存し維持する。
?「投機」を目的とした土地建物の売買は禁止する。
?職人工場については、業績が良くなっても増築せず、分社化して大工場はつくらせない。


である。私が見た時は、戦後50年を
経ていたが、被爆した教会の修復が続けられていた。 車を締め出し新しいことにはどしどし挑戦するが、そのときも過去の蓄積はきちんと生かして、むやみに規模は広げない。古い建物を壊さずに、現在の用途にあわせて都心を再生する。そこに新しい価値を生み出して日常生活を豊かにしてゆく。それが歴史と文化に彩られた街の中身であった。地域の美しさを大切にしても、その永続のためには市民が主人公にならなければ意味がない。ボローニャの基礎は中世から続く市民による地域の連続性の確保であり、これが生産や交通の分野にまで広く積み上げられていた。この町を歩くと、市民活動の中から景観は総合化されることが見えると思えた。
( 次号に続く)

 

 

 

高橋寛治氏

(高は正しくは髙(はしごだか)と書きます)

プロフィール
高野山大学客員教授
埼玉大学教養学部
非常勤講師
元高野町副町長

 長野県飯田市産業経済部長として、
飯田市の活性化推進に活躍した後、
和歌山県高野町の副町長として、
高野町の活性化を推進した。

 

 

 

 

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