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景観・まちづくり新聞
トップ  >  景観・まちづくり新聞  >  Vol.9 (2011/7)  >  連載コラム 高橋寛治が語るまちづくり (3)

連載コラム 高橋寛治が語るまちづくり (3)


「未来は過去の中にいる」

 

今から20年ほど前、子供が小学校の高学年の頃である。夏休みの家族旅行に能登半島先端の輪島

 へ出かけた。 輪島で泊まった次の朝、宿のロビーで「行って見たい」と思っていた景色がポスター

となって掲示されていることに気付いた。  その町は富山県東礪波郡井波町(現在は南砺市に 合併)、

門前町の朝もやの景色を高い所から俯瞰したポスターで、 町の落ち着いた雰囲気と美しさは以前か

ら気になっていた。たまたま帰りのルートが近くなので立ち寄ることとした。  輪島から車で3時間、

砺波平野を抜けてゆくと八乙女山のすそ野に町並みが広がっていた。町の奥の瑞泉寺の 駐車場から

正面の八日町通りを歩くと看板や表札が本格的な木彫りになっている。どれも動物が彫られているの

で 気になって聞いてみると、井波は木彫で有名な町である、看板や表札にも家主の干支が彫られて

いるとのことであった。 また、表通りに空き店舗が出来ると木彫の職人が借りて店が維持でき商店街

がつらなっていた。 子どもが おみやげ探しでいたので、そのお店の女性の方(60歳の半ばとお見受

けした)に、店の前の「酒蔵を建て替え、 古い雰囲気が良いですね」と声をかけてみた。その答えは

「町には連続性が必要ですから…」と明快であった。 都市の連続性は大切な概念であるが専門家の

使う用語と思っていた。でも、普段の生活の中でこのような言葉が出てくる のは地域に学習があること

を感じた。 先日、井波の皆さんが視察に見えたときにその件を切り出すと、ご主人が井波のまちなみ

の会の会長さんとのこと。 納得である。  景観づくりは日々の学習と連続性の確認から始まると思っ

ている。何気ない活動や会話の中からまちの美しさを掴んでいない と私たち判断は個人が中心になる。

戦後のまちづくりの最大の汚点は「個人が個人のベストの選択をした結果である」 と言われている。そ

う思うと、今日からでも足元の良さを見直す活動は始めることが出来るのであろう。 

 (次号に続く)

 

 

高橋寛治氏

(高は正しくは髙(はしごだか)と書きます)

プロフィール
高野山大学客員教授
埼玉大学教養学部
非常勤講師
元高野町副町長

 長野県飯田市産業経済部長として、
飯田市の活性化推進に活躍した後、
和歌山県高野町の副町長として、
高野町の活性化を推進した。

 

 

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